学びの基本は心のふれ合いにあり

小中学生に夏休みの宿題を教える大学生たち

夏期学習教室が楽しいワケ

「すごく楽しかったです」

夏期学習教室が終わった後すぐに、そう感想を述べてくれたのは、三重大学教育学部の学生たちでした。

学生たちは、この日〝先生〟として、子供たちの夏休みの宿題を見てくれました。

集まったのは、保育園児から中学生まで13人。
最初は、少し年の離れたお兄さん、お姉さんに緊張していた様子でしたが、顔を合わせて10分もすれば、あら不思議、和気あいあいとした雰囲気に。子供たちにいろいろと声をかけ、楽しませながら宿題を見てくれる学生たちの姿が印象的でした。

勉強というと、ピリッとした雰囲気の中でするもの、という印象が強いですが、この日の教室の様子を見ていると、「楽しいから勉強している」という表現がピッタリ合うという感じでした。

小学生:「地図記号って、ほかにどんなのがあったっけ?」
 先生:「よ~し、一緒に考えてみようか」
小学生:「じゃあ、勝負だよ」

中学生:「ねえ、先生、この答えで合ってる?」
 先生:「分かった。見てみよう……おっ、すごい! 正解」
中学生:「良かった~」

ごく普通の会話の延長線上に「学び」がある。
まさに、そんな感じの学習教室だったように思います。

〝学びの姿勢〟で向き合うからこそ

休憩なし、90分ぶっ続けの勉強会。

これだけの長時間、中学生ならまだしも、小学校低学年の子たちまでが、集中力を切らさずに勉強に取り組めたのは、そうした学生たちと子供たちの〝心の通い合い〟があったからだと思うのです。

男子学生は言いました。

「みはま(=当クラブ)は、年上の子が年下の子の面倒を見るという伝統がありますよね。僕たちも小さいとき、よくお兄さんたちに面倒を見てもらいましたから、そうするのが当たり前というか、とにかく楽しんでもらいたいという気持ちで、今日はさせていただきました」

学生たちは、何かを教えるというよりも以前に、子供たちに「楽しんでもらう」「喜んでもらう」という信念を強く持っていてくれたのです。

普段は、塾で高校生を担当しているという女子学生は「今日のように、幅広い年齢層が一堂に集まる場で教えさせてもらうのは初めてでした。無邪気にお喋りをする小さい子たちもいるので、中学生たちは、どう思っているのかなと、最初は少し気になりましたが、みんな何も言わず、広い心で受け入れてくれているところが、私はすごいなと感じました。この『受け入れる』という心、とても大事だと思います」

学生たちは、このほかにも、今日一日の指導を通して、いろいろと学びを深めてくれたようです。

教える側が〝学びの姿勢〟で子供たちと向き合ってくれたからこそ、とても楽しい教室になったのかもしれません。

次回の夏期学習教室は8月16日14:00から。

この夏、学びを通して、心のふれ合いの醍醐味を味わってみませんか?