楽譜が読めない子にアプリを使うと何が変わる?|音楽教室の現場から

「楽譜が読めないんです」
これは、音楽教室の現場で本当によく聞く言葉です。
私自身は音楽の先生ではありませんが、音楽教室を運営し、日々たくさんの子どもたちや保護者の方と接しています。
その中で強く感じてきたのが、楽譜が読めない子ほど、最初のつまずきで音楽そのものを嫌いになってしまうという現実です。
以前、別の記事で、
- 楽譜が読めない原因
- 「読めるようになる考え方」
について整理しました。
今回の記事は、そこから一歩踏み込み、
「アプリを補助的に使うと、子どもにどんな変化が起きるのか」
という点に絞って、音楽教室の現場で実際に見てきた変化をお伝えします。
結論から言うと、
- 変わるのは技術だけではありません
- 気持ちと行動が、目に見えて変わります
その変化を、具体的なエピソードとともに紹介します。
Contens
なぜ「楽譜が読めない子」にアプリを使ったのか
楽譜が読めない子どもに共通していたのは、楽譜を見ても「音が分からない」状態にあることでした。
その原因や考え方については、別の記事で整理しています。
▶︎ 楽譜が読めない人へ|音楽教室の現場で分かった「読めるようになる考え方」
変化① 音と楽譜が「結びつくまでの時間」が圧倒的に短くなる
楽譜が読めない子の多くは、
- ド=どの音?
- この黒い点は何?
という状態で止まっています。
頭の中で
楽譜 → 音
の変換ができないため、先生の説明も、ただの「記号の説明」に聞こえてしまいます。
アプリを使うと何が起きるか
PlayScore2などの楽譜スキャンアプリ(スマホのカメラで楽譜を撮影すると、その楽譜の音を確認できるアプリ)を使うと、
- 楽譜を読み取る
- 実際の音がすぐに鳴る
という体験が、何度でもできます。
教室では、
「ここ、こんな音なんだ!」
と、その場で反応が変わる子が少なくありません。
楽譜を見る → 音を確認する
この往復を短時間で繰り返せることが、理解のスピードを一気に高めます。
▶︎ PlayScore2の詳しい使い方はこちら
変化② 間違えても止まらなくなる
楽譜が読めない子ほど、
- 間違えるのが怖い
- 先に進めない
という傾向があります。
現場でよくある光景
- 1音間違えただけで演奏が止まる
- 「分からない…」と言って手が止まる
これは、音の正解が自分で確認できない不安から来ています。
それが、アプリを使うことで、
- 正しい音を自分で確認
- 間違いをその場で修正
以上の2点ができるようになります。
ある子は、以前は1小節ごとに止まっていたのが、
「あとでアプリで確認すればいいや」
と、最後まで弾こうとするようになりました。
止まらない=音楽が続く
この変化は、とても大きいです。
変化③ 家での練習の「質」が変わる
保護者の方からよく聞く悩みが、
- 家でどう練習させればいいか分からない
- 親が教えられない
というものです。
一方、アプリがあると
- 正しい音を子ども自身が確認できる
- 親が音楽の知識を持っていなくてもOK
になります。
実際に、
「家での練習がケンカにならなくなりました」
という声もありました。
練習=怒られる時間から、 練習=確認できる時間に変わるのです。
変化④ 楽譜への拒否感がなくなる
楽譜が読めない子にとって、楽譜は
- 黒い点が並んだ難しい紙
- 見るだけで嫌になるもの
になりがちです。
ところが、アプリを使い始めると、
- 楽譜=音が鳴るもの
- 楽譜=ヒントが詰まったもの
という認識に変わっていきます。
ある子は、
「これ、音を聞くと楽しいね」
と言いながら、自分から楽譜を開くようになりました。
楽譜に触れる回数が増える
これ自体が、読譜力アップにつながります。
変化⑤ 先生の言葉が「届く」ようになる
楽譜が全く読めない状態では、
- 高い音
- 低い音
- 上がる・下がる
といった説明も、抽象的に聞こえてしまいます。
アプリが橋渡しになる
アプリで音を確認した経験があると、
「あ、この音ね」
と、先生の言葉と音が結びつきます。
結果として、
- 指導がスムーズになる
- 子どもが納得しながら聞ける
という好循環が生まれます。
アプリに頼るメリットと注意点
メリット
- 音と楽譜を結びつけやすい
- 自分で確認できる安心感
- 家庭練習の質が上がる
注意点(デメリット)
- アプリだけで完結しないこと
- 最終的には「自分の耳」で確認する必要がある
教室では、
アプリは先生の代わりではなく、補助ツール
として使うことを大切にしています。
では、どう使うのが効果的か
アプリは、最初から頼るものではなく、分からない部分を確認するための道具として使うのがポイントです。
音楽教室の現場では、次のような流れをおすすめしています。
① まずは楽譜を見て、自分で弾いてみる
最初は、間違っていても気にせず、楽譜からどんな音が鳴りそうかを想像しながら弾きます。
ここで大切なのは、正確さよりも「楽譜を見て音をイメージしようとすること」です。
② 分からないところだけ、アプリで音を確認する
次に、
自分で弾いてみて分からなかった部分だけを、アプリで再生して確認します。
PlayScore2は、
- 楽譜をそのまま読み取れる
- テンポを落として再生できる
ため、「この音で合っているのか」を落ち着いて確認できる点が、読譜の補助として非常に相性が良いと感じています。
③ もう一度、アプリを止めて自分で弾く
音を確認したら、必ずアプリを止めて、もう一度自分で弾きます。
ここで、
- 楽譜 → 音 → 指(または声)
がつながっていきます。
アプリを使い続けるのではなく、確認したら手放す。
この切り替えがとても大切です。
④ 慣れてきたら、確認する回数を減らす
少しずつ、
- 確認しなくても弾ける部分
- 頭の中で音が鳴る部分
が増えてきます。
最終的な目標は、
アプリがなくても楽譜から音を想像できる状態です。
※ PlayScore2の具体的な操作方法については、別の記事で詳しくまとめています。
▶︎ PlayScore2の詳しい使い方はこちら
まとめ|「読めない」は才能の問題ではない
音楽教室の現場で見てきて、はっきり言えるのは、
楽譜が読めないのは、才能の問題ではない
ということです。
- 音と結びつく経験が足りなかった
- 確認する手段がなかった
それだけのケースが、ほとんどです。
アプリが効果を発揮した理由は、特別な練習法だったからではありません。
楽譜と音を結びつける環境が、はじめて整ったことにありました。
アプリは、
- そのギャップを埋める
- 最初の壁を低くする
ための、とても現実的な選択肢です。
もし、
- 楽譜が苦手
- 子どもが音楽を嫌いになりそう
と感じているなら、
一度、アプリを「補助」として使ってみる
それだけで、音楽との向き合い方が大きく変わるかもしれません。

