〈be動詞と一般動詞の違い〉を物語で一発理解!

be動詞と一般動詞の違いについて授業する教師のイラスト

英文法の基本中の基本といえば、be動詞と一般動詞!

これらは、中学1年生の1学期に習うのですが、その違いがよく理解できなくて、英語嫌いになってしまう生徒も結構いるようです。

なにせ、いまは授業の進み方が早いですからね(汗)

「I am play the piano.」では、どうしていけないの?

「He are not eleven.」のどこが間違いなの?


そうした〝文法整理〟のできない状態のまま英語学習を続けても、頭はますます混乱するばかりでしょう。

なんとか、その混沌たる状況を打破してもらいたい!

そこで今回は、英文法の核となる「be動詞と一般動詞の違い」を、日本一分かりやすく解説していきたいと思います。

小学生でも分かるように、昔々……で始まる物語風に話を進めていきますね!

今回の授業の特徴

授業が昔々……で始まる物語形式

登場人物は「3人のbe動詞」と「無数の一般動詞」
 

目標はbe動詞と一般動詞の違いが分かるようになること

be動詞の登場人物

昔々、ある所に、働き者で有名なbe動詞たちがいました。

be動詞の登場人物は、全員で3人。

それぞれの名前は、am,are,isです。

これらのbe動詞たちには、仕えるご主人(主語)がいるのですが、それぞれにご主人は違います。

amのご主人はI

areのご主人はYouとWeとThey

is のご主人はHeとSheとItなどです。


※isの主語は、このほかに人の名前、物などがありますが、ここでは分かりやすくお話を進めていくため、He,She,Itに限定させてもらいます。

おや?

amはご主人が一人で楽そうですが、areとisはご主人が一人じゃないので、かなり大変そうですね。

世の中、不平等だね(笑)

さて、そんなことはさておき、これらのbe動詞、文になるときは、必ず今紹介したご主人たちも出てきます。

be動詞たちは、ご主人を差し置いて、一人では勝手に出られないんです。

I am ~
You are ~
He is ~ ……


このように、いつも一緒なんです。

そして、これらbe動詞の間では、実は人間の世界よりも、もっと厳しいルールが敷かれています。

それは、違うご主人のもとで働くことが禁止されているんです。

だから、amは、いくらYouとかHeのもとで働きたいと思っても、それは一生叶いません。

be動詞として生まれてきた定めなのです。

人間の世界だったら「今のバイト先、しんどいから、新しいバイトを始めよう」と言って、働く場所を変えてもオッケーですが、be動詞の世界では、それは〝ご法度〟なんです。

厳しい~!

be動詞の三つの役割

そんなルールに従順なbe動詞たちですが、彼らの役割は、ご主人が「何者なのか」「どんな様子なのか」「どこにいるのか」を伝えることにあります。

いわば、そのために生きているのです。

彼らの三つの役割を、一つひとつ見ていきましょう。

役割①何者なのかを伝える

まず一つ目は、ご主人が何者なのかを「説明」する役割を担っています。

たとえば、こんな感じです。

I am Takeshi.

be動詞のamは、Iつまり「私」が、takeshi「たけし」であると説明しています。

He is a docter.

この場合、be動詞のisは、Heつまり「彼」が、a docter「医者」であることを説明しているのが分かると思います。

もう一つ、例を挙げましょう。

She is evelen.

isは、Sheつまり「彼女」がeleven「11歳」だということを説明していますよね。

このように、be動詞は、いわゆる「名詞」を自分の後にくっつけて、ご主人が「何者なのか」を説明することができるわけです。

※名詞という言葉がまだ分からないという場合は、「物や事を表す言葉」というふうに覚えておきましょう。

役割②どんな様子なのかを伝える

二つ目の役割は、ご主人がどんな様子なのかを「表現」して伝えることにあります。

たとえば、ご主人が疲れていたら……

You are tired.

というように、be動詞areは、ご主人Youがtired「疲れている」という様子を伝えることができます。

じゃあ、She「彼女」がbeautiful「美しい」と伝えるには……

そのときは、be動詞isが参上して、

She is beautiful.

という文を、ササっとつくります。


be動詞が後にくっつけている言葉を「形容詞」といいます。

様子や気持ちを表す言葉です。

good(良い)、big(大きい)、clean(きれい)等々、いっぱいあります。

ここまで見てきて分かるように、be動詞というのは「ご主人のことをみんなに伝えたいから協力して~」と言って、名詞や形容詞を、自分の後にくっつけることができる〝すごい奴〟なんです。

役割③どこにいるのかを伝える

まだあります、be動詞のすごいところ!

三つ目の役割が、またすごい!

ご主人が「どこにいるのか」を、またまた言葉を自分のもとに呼び寄せて、しっかり伝えることができるんです。


たとえば、ご主人が学校にいると伝えたいときは、

She is at school.

というように、「at school」(学校に)という言葉を、自分の後にくっつけることで、その役割を果たします。


ここで注目したいのは、「at」という前置詞です。

be動詞isが、単に「school」だけをくっつけると、

She is school.

となってしまい、「彼女は学校です」というような訳の分からない文になってしまいます。

優秀なbe動詞、そんなドジなことはしません!

そこで、前置詞という登場人物が出てくるわけですが、be動詞は、この前置詞にも、自分の後にくっついてもらうことができる〝すごい奴〟なんです。

さっきから、前置詞って難しい言葉が出てくるな~と思ったあなた!

ちょっと簡単に解説しておきますね。

前置詞というのは、名詞、つまり物や事を表す言葉の前に来て、「~にいる」という意味をつくることができる〝凄腕の職人〟みたいな奴なんです。

この前置詞、「at」のほかに「in」や「on」などがあるんですが、今回はbe動詞の役割の話ですので、このくらいにしておきましょうね。

ということで!

be動詞は、前置詞という〝凄腕の職人〟をも引き連れて、ご主人が「どこにいるのか」も伝えることができる〝優秀な奴〟なんです。

例を挙げておきますね。

I am at the station.
私は駅にいます。

She is in Tokyo.
彼女は東京にいます。

It is on the desk.
それは机の上にあります。


いやぁ~、be動詞たち、ご主人のことを説明したり、表現したり、どこにいるのかを伝えたりと、本当に働き者ですね。

このbe動詞がいない文なんて考えられない!

って思うでしょ?

でも、be動詞抜きの文というのも、あるんです!

ええっ?

と思ったあなた。

さあ今度は、一般動詞の説明に入りますから、また昔々から始まる物語を聞いてくださいね。

一般動詞はたくさんいる

昔々、ある所に、こちらも働き者で有名な一般動詞たちがいました。

この一般動詞、be動詞と違ってたくさん居すぎて、とてもじゃないけれど数えられません。

たとえば、stand「立つ」という一般動詞がいたり、sit「座る」という一般動詞がいたり、write「書く」という一般動詞がいたり……その数、無限!


ウヨウヨいるんです!(ひえ~っ)

「どんな働きをするの?」ということですが、ご主人が「何をしたか」を伝える際にサッと出てきて、ご主人の横に座る(主語の次に出てくるという意味です)。

それが一般動詞なんです。

例を挙げてみましょう。

「私が立つ」と伝えたいときには、一般動詞stand「立つ」が、Iというご主人の横にすぐ駆け寄り、I stand.という文を完成させます。

「あなたが座る」と伝えたいときには、一般動詞sit「座る」が、Youというご主人の横に行き、You sit.という文を作ります。


このように一般動詞たちは、I,You,We,They,He,She,It……といったご主人たち(主語)が「何をしたか」を伝えるために働くんですが、ここで大事なポイントを伝授!

この一般動詞は、be動詞がとにかく大嫌いで、一緒に働くなんて絶対にしません。

be動詞とは絶対に手を組もうとしないんです。


言っている意味、分かりますか?

たとえば、「彼らが泣く」という文を作りたいときは、cry「泣く」という一般動詞が、Theyというご主人のもとに寄って行き、They cry.という文を作りますね。

でもこのとき、たまたま通りかかったbe動詞areが「俺も入れてくれよ~」と言って割り込んで来て、They are cry.という文を作ろうとしても、一般動詞はbe動詞が大嫌いだから、思いきりareをはねのけてしまいます。

だから、絶対にThey are cry.という文は出来上がらないのです。


ここまで物語を読んでくれたあなた!

be動詞と一般動詞の違いが分かりましたね。

おさらいしておきましょう。

おさらいタイム

・be動詞はam,are,isの三つ。

be動詞が仕えるご主人(主語)は決まっていて、amはI、areはYou,We,They、isはHe,She,Itなど。


be動詞はご主人が「何者であるか」「どんな様子なのか」「どこにいるのか」を伝える役割を担っている


一般動詞はbe動詞と違ってたくさんある。


一般動詞はご主人が「何をしたか」を伝える役割を担っている。


一般動詞はbe動詞がとにかく大嫌いで、一つの文で一緒になることは絶対にない。

一般動詞には〝派閥〟がある

さて、最後に一般動詞のことを、もう少し詳しく語っておこうと思います。

この一般動詞、実は二つのグループに分かれているんです。

一つは「動作」を表す動詞たちが集まるグループ。

もう一つは「状態」を表す動詞たちが集まるグループ。

一般動詞は、このどちらかのグループに所属することになります。


まあ、派閥みたいなものですかね(笑)

一つ目の「動作」というのは、つまり動きのことです。

たとえば、run「走る」、laugh「笑う」、throw「投げる」、stop「止まる」……等々、ご主人が「何をしたか」を表すときに出てくる言葉たちです。

もう一つの「状態」というのは、know「知っている」、like「好きだ」、feel「感じる」……等々、ご主人(の心の中)が「どんな状態なのか」を表すときに出てくる言葉たちです。

※この「状態」については、さらにグループ分けをしなければいけないのですが、今回は、be動詞と一般動詞の違いが分かるための授業なので、この程度理解しておけばオッケーです。

英文法の〝基礎中の基礎〟は、これで理解できたでしょうか?

このような〝物語形式〟で学んでいくと、とても楽しくてイイですね!

それでは、See you next time!