【例文解説】現在進行形は「~している途中」と理解しよう

中学1年生で初めて習う現在進行形。
文の作り方は「be動詞の現在形+~ing」でオッケーです。
一見シンプルな文法構造で分かりやすいのですが、その訳し方は文のパターンによって異なるため、少々複雑で苦手意識を持つ方も少なくありません。
そこで今回は、現在進行形の文の作り方や、文のパターンによって訳し方が異なることについて、例文を通して分かりやすく解説!
そのうえで、現在進行形のどんな文が出てきても、一発で意味が理解できるような〝神業〟をお伝えしたいと思います。
ズバリ、結論から言います。
〈現在進行形の文は「~している途中」という意味だと理解しましょう〉
そうすれば、どんなパターンの文でも、すべて文意を的確に捉えることができます。
大学受験界のカリスマ英語講師、関正生先生が「ビジネスカレッジTSUTAYA」のYouTubeチャンネルの中で、そのようにレクチャーしているのです。
現在進行形の文は「~している途中」という考え方ですべて理解できる、というのですから、なんとも目から鱗ですね~。
では早速、授業を進めていきたいと思います。
小中学生にも分かるように、なるべく平易な言葉遣いを心がけていきますので、よろしくお願いします。
授業のポイント
・現在進行形の文法構造
・パターン別の従来の訳し方
・超簡単!画期的な考え方
・現在進行形にできない動詞
Contens
現在進行形の文法構造
be動詞の現在形+~ing
現在進行形は、be動詞と、一般動詞にingを付けた形(現在分詞)を足して作ることができます。
本来、be動詞と一般動詞は仲が悪く、一つの文で一緒になることはないのですが、現在進行形をつくるときは、一般動詞が「ing」を付けて〝変身〟することで、手を組むことができます。
例)× He is read this book.
〇 He is reading this book.
訳:彼は今、この本を読んでいます。
疑問文・否定文の作り方
疑問文は、be動詞を主語の前に出して、文の最後に「?」を付けるだけでオッケーです。
例)Is he reading this book?
訳:彼は今、この本を読んでいますか?
否定文も簡単で、be動詞の後にnotを付けるだけ。
例)He is not reading this book.
訳:彼は今、この本を読んでいません。
このように、現在進行形の文法構造はシンプルで、とても分かりやすいものとなっています。
パターン別の従来の訳し方
さて、ここからが本題です。
現在進行形の文のパターンは、大きくは以下の四つに分けられます。
①今現在起きている出来事を表す文
②一瞬先に起こり得る出来事を表す文
③確定した未来の出来事を表す文
④一時的に起きている出来事を表す文
なにやら漢字だらけで難しそうですね(汗)
一つひとつ、分かりやすい言葉で解説していきますね。
「まさに今~している」という文
まず一つ目の「今現在起きている出来事を表す文」というのは、中学1年生のときに「まさに今~している」という意味で習う、一番オーソドックスなパターンです。
例)She is playing tennis.
訳:彼女は、まさに今テニスをしています。
今現在、彼女が何をしているのかが分かりますね。
「今にも~しそうだ」という文
二つ目の「一瞬先に起こり得る出来事を表す文」というのは、簡単に言うと、「今にも~しそうだ」「今にも~しかかっている」という意味になる文です。
例)He is falling down.
訳:彼は今にも転びそうです。
「転ぶ」という行為に対して、今まさに向かっているという状態です。
まだ転んではいないけれど、一瞬先は転んでいる状態になるという、まさに「転びそうな」瞬間を切り取った文になります。
そうした意味合いの文も、現在進行形で表すことができます。
「~する予定だ」という文
三つ目の「確定した未来の出来事を表す文」というのは、近い将来、確実に起きる出来事を引き合いに出し、「~する予定だ」と表現する文になります。
例)I am leaving the company next week.
訳:私は来週、その会社を辞める予定です。
このように、現在進行形は、近い将来確実に起こる出来事について言及することができます。
「今一時的に~している」という文
最後の「一時的に起きている出来事を表す文」というのは、今現在の状況が一時的なものであることを強調する文になります。
例)He is living in Tokyo.
訳:彼は今一時的に東京に住んでいます。
この文は、彼が東京にずっと住んでいるのではなく、単身赴任か何かで、一時的に東京に住んでいることを表すものです。
それを現在進行形で表現しているわけです。
いかがでしょうか?
ひと口に現在進行形と言っても、文のパターンによって訳し方を考えなければならず、こりゃ大変だな~と思ったのではないですか?
でも安心してください。
苦手な方は、そんな意識を一掃しようじゃありませんか。
超簡単!画期的な考え方
ここまでの授業で、現在進行形には大きく四つのパターンがあって、それぞれに訳のニュアンスが違っていることは理解できたと思います。
でも、いろいろな文のパターンや、それらの意味の違いなんて、いちいち覚えられない!
そんなあなたに、〝関先生流〟の超簡単で画期的な考え方を伝授しましょう。
現在進行形の文は、すべて「~している途中」という意味だと考えてください。
言い換えれば、あらゆる行為に向かう、その途中の段階にあることを表すのが、現在進行形だということです。
これまでに出した例文を、すべて「~している途中」という訳に当てはめて意味が通るか、チェックしていきたいと思います。
「まさに今~している」という文の例
例)She is playing tennis.
訳:彼女はテニスをしている途中だ。
たとえば、1時間テニスをするとしましょう。
彼女は、そのプレーの途中にあるわけです。
なるほど、「~している途中」という考え方が当てはまりますし、それで意味が通じます。
「今にも~しそうだ」という文の例
例)He is falling down.
訳:彼は転ぶ途中だ。
彼は石か何かにつまずいて、結果的に、家の前で転んでしまうのでしょう。
そのつまずいた瞬間を「始点」とし、転んだ状態を「終点」とすると、確かに彼は、今、つまずいて転ぶまでの途中にあります。
そのことを理解すれば、おのずと、彼が今にも転びそうな状況にあることが分かるはずです。
「~する予定だ」という文
例)I am leaving the company next week.
訳:私は、来週会社辞めるという行為に向かっている途中だ。
来週会社を辞めることを決めていて、それに向けて何かと片付けをしたり、準備を進めたりしているのしょう。
退社に向かって、すでに動き出している途中というのが分かると思います。
要は、文のイメージをつかむことが大事なのです。
「今一時的に~している」という文
例)He is living in Tokyo.
訳:彼は東京に住んでいる途中です。
この文は一見、意味が通じないように思いますが、ひと口に「住む」といっても、その土地にずっと住み続けているのか、あるいは、出張などで一時的に、その土地に住んでいるだけなのか、2パターン考えられます。
この例文は、後者のパターンです。
たとえば、東京に1カ月出張で来ていて、あと10日後には地元へ帰る予定になっている。
そうした人にとって、現時点の状況は、1カ月間の東京滞在の「途中」であるという考え方ができるわけです。
このように、現在進行形の文というのは、すべて「~している途中」という意味で捉えることができるのです。
言い換えれば、この考え方に合わない文は、現在進行形にはできないということになります。
現在進行形にできない動詞
以下、現在進行形にはできない動詞について説明していきます。
まず、動詞には、動作動詞と状態動詞の2種類があります。
動作動詞というのは、run(走る)、write(書く)など、動作を伴う動詞のことです。
一方の状態動詞というのは、know(知っている)、like(好きである)、resemble(似ている)、belong to(所属している)など、一定期間、同じ状態が続くような動詞のことです。
原則、現在進行形にすることができないのは、後者の状態動詞です。
つまり、状態動詞を含む文には「~している途中」という考え方が当てはまらないということです。
例)× I am knowing where the pen is.
〇 I know where the pen is.
私はペンの場所を知っている途中だ、という文はおかしいですよね。
knowではなく、動作動詞のlook for(探す)なら「探している途中だ」となって意味が通じるのですが……。
このように、「~している途中」という考え方が当てはまらない動詞は、現在進行形にできないと覚えておきましょう。
と、ここで!
あれ、前の例文で出てきたlive(住む)も状態動詞じゃなかったっけ?と気づいたあなた!
さすがです。
liveは状態動詞です。
でも、それなのに、現在進行形にすることができたのは、どうして?
いい質問ですね~
liveに限っては、条件付きで現在進行形になることができるのです。
その条件とは?
あくまで出張などで一時的に、その土地に住んでいる場合に限ります。
要は、あらかじめ滞在する期間が決まっていて、今その最終日に向かう途中である、ということが明らかであれば、現在進行形にすることができるということです。
「状態動詞は現在進行形にできない」と丸暗記するのではなく、「~している途中」という考え方に合うか合わないかを基準に、しっかり精査していくことが大切ということですね。
最後に、おまけとして、アメリカ人が皮肉などを言うときに使う現在進行形のフレーズを紹介したいと思います。
be動詞の現在形と現在進行形の間に、always(いつも)を置くと、反復動作や習慣を表す「いつも~ばかりしている」というニュアンスを出すことができるのです。
例)He is always working!
訳:彼はいつも仕事ばっかり!
She is always lying.
訳:彼女はいつも嘘をついてばっかり!
もちろん、これらの文も現在進行形ですから「~している途中」という考え方が当てはまります。
alwaysが付いていますから「いつも~している途中」というイメージになります。
今回の授業は、これで終わりです。
現在進行形、もうバッチリですね!